海外文学

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

作: ヴィクトル・ユーゴー / 訳: 豊島与志雄

読み易さ: ⭐⭐

理想主義で貫かれた、「愛」の物語

 ひとりの徒刑囚が聖人として生涯を終えるまでの怒涛の人生を描いた、魂が震える物語である。善悪とは何か、人はどう生きるべきか。道徳や倫理について、改めて考えるきっかけを与えてくれる作品である。岩波文庫全4巻の超大作だ。

書影: 岩波書店

罪と罰

罪と罰

作: ドストエフスキー / 訳: 江川卓

読み易さ: ⭐

倫理、思想、心理、幅広いテーマを包含する「現代の預言書」

 ドストエフスキーの真骨頂である、人間の精神性、心理を深く穿った作品である。多くのテーマを包含する上、哲学性の高い小説であるため、極めて難解ではあるが、非常に読みごたえがある。長編小説における世界的な名作。

書影: 岩波書店

老人と海

老人と海

作: ヘミングウェイ / 訳: 高見浩

読み易さ: ⭐⭐⭐⭐⭐

老人と巨大な魚との死闘を描いた、人間の尊厳と悲劇の物語

 非常にシンプルな文体と構成が特徴的である。「映像」で魅せる映画があるように、本作は「文章」で魅せる文学であり、言語が本来持つ魅力を味わうことの出来る作品だ。作品発表当時、ヘミングウェイの浮気に愛想をつかしていた妻は、本作を読んで「これなら、あなたの仕打ちを許してもいい」と言ったそうだ。

ヘミングウェイ/著, 高見浩/訳『老人と海』(新潮文庫刊)

ファウスト

ファウスト

作: ゲーテ / 訳: 相良守峯

読み易さ: ⭐

詩人の天才ゲーテが、その一生を掛けて完成させた大作

 戯曲形式で書かれた悲劇の物語である。学問に絶望した大学者ファウストが、生の意義を得るため悪魔メフィストと契約し、メフィストはファウストを誘惑していく。人間の真の生き方とは何か、大文豪ゲーテがその思想を傾けつくした大作である。

書影: 岩波書店

外套

外套

作: ゴーゴリ / 訳: 平井肇

読み易さ: ⭐⭐⭐⭐

ロシア文学最大の傑作「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれたのだ」

 近代ロシア文学の先駆けとなった作品。ひとりの貧しい下級官吏が、運命と人に打ち砕かれる様子を描いた物語。貧しい人の行為と人間や社会の持つ「傷」について、ゴーゴリの独特の筆致で描かれている。

書影: 岩波書店

カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟

作: ドストエフスキー / 訳: 米川正夫

読み易さ: ⭐⭐

あらゆるテーマを包含した、長編作品の最高傑作

 ドストエフスキー最後の作品であり、雄大な構想をもって書かれた。人間の精神、信仰、苦悩、貧困など、幅広いテーマを包含し、複雑かつ緻密な構成を持つ。ドストエフスキーは続編を構想していたらしいが、20世紀の日本を代表する文芸評論家の小林秀雄は「およそ続編というようなものがまったく考えられぬほど完璧な作品」と評している。

書影: 岩波書店

人はなんで生きるか

人はなんで生きるか

作: トルストイ / 訳: 中村白葉

読み易さ: ⭐⭐⭐⭐⭐

トルストイの宗教観が詰まった、晩年の力作

 作者の晩年に書かれた民話であり、非常に宗教色が強い作品である。「人は何によって生きるか」という人間の究極の命題に対するトルストイの解が書かれている。「一部の人だけでなく、万人に理解してほしい」という考えのもと、何度も推敲を重ねて書かれたため、簡易な表現でわかりやすく読みやすい。残念ながら、青空文庫では閲覧できない。

書影: 岩波書店